千葉県の高龗神社: 判明しているのは3社。
高龗神社 四街道市成山
高龗神社 四街道市南波佐間
高龗神社 松戸市六高台一丁目15 五香六実

高龗神社

[たかおかみ神社]

四街道市・成山

使用文字[雨+龍]

主祭神:高龗神

総武線物井駅をめざし,次に「みそら小学校」をさがす。細い道の北側の山を破壊して造成地にするための工事車両入口があり,その奥に周囲を削り取られた頂上に鎮座。
昭和45年の社号標に雨+龍字で「高龗神社」
鳥居左手の四街道市教育委員会の建てた「源頼朝富士の巻狩図額絵馬」の解説看板に「成山高龗神社」の文字。このルビが「たかおかみ」
感動である。小生はじめて龗字の正式読みに出会うことができた。四街道まで二度足を運んだかいがあった。
これで口三つついていたら,逆立ちして三歩あゆむところだ。
鳥居をくぐって左手に昭和46年の「板石奉納 高龗神社」
拝殿右手に「成山高龗神社のスギ」の文字。
拝殿額はほとんど消えかかっており肉眼では確認できないが,濃度調整をすると「高龗神社」と雨+龍字が読める。その下に奉納者氏名が縦に5行。年号は昭和七か?
ここは「雨+龍」ですべて統一されている。
拝殿右手の手水石には「昭和八年十二月吉日」
その奥に「羽黒山・月山・湯殿山神社」の石塔。昭和十二年。
この神社の樹木は見事に根が露出している。
神社境内から周囲を見下ろすと,もと山林は丸裸にされている。これだけ徹底した土地造成にもかかわらず,神社にはさすがに手がつけられなかったところに,神社に対する日本人の意識が見て取れる。2008年現在でもカミの概念がタタリと結びついて行政権力を斥けたといえるかもしれない。
「たかおかみ」のルビ 昭和46年
消えかけているが「雨龍」 中央の森に鎮座
合算・羽黒山・湯殿山
境内から造成地を見下ろす
南波

高龗神社

[たかおかみ神社]

四街道市・南波佐間

使用文字[雨+龍]

たどりつくのは大変だった。周囲を細い道で囲まれた小高い緑の中らしい。登り口がなかなか分からず,入っていくと植木屋さんの敷地だったりする。
成台中成年館をまずさがす。おたずねしながらなんとか成年館にたどりつく。ここのすぐ前に「月山神社・羽黒山神社・湯殿山神社」と刻まれた石塔だけが複数まとめて盛り土の上に合祀されている。近所でおたずねしても高龗神社は不明。ぐるぐる回っているうちに雨まで降り出すしまつ。霊場巡りの石碑があったので,えいやっと地図にもカーナビにもない小道を降りてみると当たり(1枚目の写真の中央に鳥居が見えます)。なかなかすごい雰囲気。
社号標には雨+龍字が。鳥居をくぐって泥坂を上っていくと小ぶりの社に「高龗神社」の額文字と木札が見える。
社の内部左下にA4の紙が掲げてあるが暗くて読めない。フラッシュ撮影で確認すると全文つぎのとおり。
高龗神社 「龗」はオカミと読み,「雨乞い」を意味する表意文字です。「高龗神」(タカオカミノカミ)は雨を?掌?るとされ,日照りには雨が降ることを祈り(祈雨),洪水には雨が止むことを祈る(止雨)とされています。この地域の台地には谷津が入り組んでおり,これを水田として利用したものが谷津田です。古来,谷津田の水源である森を大切にする心が高龗神社に込められていることに思いをいたし,高龗神とともに,ここ南波佐間の地に栄えあることを記念いたします。平成十四年五月吉日(改行削除 ?は推読)
ワープロで打ってあり,雨+龍字は手書きになっている。
石塔が一基。「X講中,中xx」しか読めない。
関東平野では最南端に位置する貴重な高龗神社である。
ここから北東1キロの成台中土地区画整理中の山の上に成山高龗神社がある。
中心に鳥居が見える
額の下にも雨+龍字 由緒書き
手水石 付近に石塔が保存されている
六甲

高龗神社

[たかお神社]

松戸市・六甲台一丁目15 五香六実

使用文字[雨+龍]

東武宇都宮駅を出発し,栃木駅で特急きぬ114号に乗り換え,関東平野の田園の緑がそろそろ黄色に変わりつつあるのを眺め,北千住に。JR常磐快速で松戸へ。新京成に乗り換え,元山駅着。計2時間17分。
炎天下を歩くこと10分ほどで正面右手に神社の森が見えてくる。
281号線沿いの立派な神社である。境内はきれいに掃き清められている。
正面鳥居の左右に社名看板があるが,どちらも「口みっつなしの雨+龍」ルビは「たかお」
昭和46年の鳥居額,昭和39年の石碑,鎮座百三十周年記念手水の台,昭和43年開墾百年記念碑に刻まれている「おかみ」字もすべて「雨+龍」で統一されている。
幕府直轄の軍馬育成牧場であった小金原中野牧を維新の失業者対策で開墾させたのが五香と六実。明治二年11月に入植した。
「次々と襲い来る旱魃や颱風禍など,自然の苛酷な試練に打克ち」と碑文にある。明治3年以降のいずれかの時に雨乞い或いは鎭雨のためにまさに適任の高龗の神を勧請したのであった。名付けられたときにすでに口みっつはなかったのだろう。
剣に巻きついたかわいらしい昇龍,降龍二体の石像。昭和29?か。飯沼石XXX彫
開墾百年記念碑のとなりに「史跡・香実会所跡」碑がある。
雨+龍
雨+龍 開墾百年記念碑 左の拡大
拝殿 昭和21年狛犬
出羽三山,古峰,三峯神社など 神輿庫
昇龍 降龍

 

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