高龗神社

[たかお神社]

宇都宮市・鶴田町1261

使用文字[龗・靇]

主祭神:高龗神,闇龗神

祭神は『栃木県神社誌』では「高龗大神」[たかおかみのおおかみ]
配神:闇龗[くらおかみ]大神,素戔嗚神(『栃木県神社誌』旧版では2神とも配神ではなく主祭神に並列)
応永元年1394創立。
羽黒山の東に広がる田園地帯。宇都宮環状線と楡木街道の交差点北東。
現在は住宅が建ち並び,区画整理で道路が何本も敷かれつつあるが,ほんの20年前はあたり一面田んぼしかなかった。2014年までに境内の樹木は切り払われて椅子になり,2019年8月には鳥居南の空き地はなくなり,数棟のアパートが建築中。2007年写真の面影はない。
平成二十一年鳥居額と昭和二年1927社号標は口3つなしの雨+龍字。
拝殿額文字は「高龗神社」正式。額の隣に祭神として「高龗大神(上り龍),闇龗大神(下り龍),素戔男神」の文字が板書されている。「たかお」「やみお」とルビがふってある。掲額は昭和46年,鶴田町氏子一同。祈雨祈晴の最強コンビが祀られている。
「やみお」はもちろん誤りで,「くらおかみ」が正しい。「たかお大神」も「たかお」神社の通称をルビにした。江戸時代には[タカオカミ]と称したが維新に際して『日本書紀』の表記をあてがわれ,高龗神社と表記するようになって,高龗神社を名のる正当な理由のある社である。
*『鹿沼聞書』によれば江戸期にはまだ[タカオカミ神]と称し,神仏分離で高龗神社に改称した。高龗神社を名のる正当な理由のある社。明治の初期におそらく[タカオ神社]と呼ぶようになった。
「すさのお」の「さ」の字は小生には判読できず。佐でも戔でもない。
その左の昭和四十三年の奉納額は正式な口3つ付き。
拝殿の昭和四年,昭和十五年の奉納額は正式な口3つ付き,昭和十七年奉納額の文字は「雨+龍」口なし。
拝殿内左手の昭和四十六年1971「高龗神社‏/八坂神社社屋改築工事寄付者芳名額」は口三つつきの正字。
「おかみ」字は同一神社内でもこうして混在してしまっている。理由は龗字の画数が多すぎるからである。奉納されるとなかなか誤字に文句をつけられないという事情もあるだろう。
また,数を調べていくうちに分かってきたが,口をはぶいても雨+龍を使っているところはまだまだ上等の由緒正しい高龗神社である。
「雨+罒+龍」は口三つだと石に刻字しにくいための工夫と考えることもできるので,正字として扱っていいだろう。
なお『栃木県神社誌』平成18年版では,宇都宮市の高龗神社の祭神名は高龗神または高龗大神の表記に[たかおかみのかみ]「たかおかみのおおかみ]のルビを振っており『日本書紀』の読みを採用し,社号の読みは[たかおじんじゃ]で統一している。
鳥居左手に「文久四年甲子1864・男體山」。
境内社に「高龗神社」と「八坂神社」。その後鶴田長沼「水神様」と「羽黒山」を加える。
新手水石は昭和五十四年1979,旧は明治二十二己丑年1889あるいは明治二己巳年1869奉納。
本殿前に「寛政十二庚申歳1800石灯籠」,奉納御寶前と刻んである。昭和三十六年1961石燈籠。新しい石燈籠は平成八年,狛犬は平成十六年奉納。
本殿:流造亜鉛葺 幣殿:流造亜鉛葺 拜殿:流造亜鉛葺
二百十日前後の第一日曜日に天棚天祭を行う。
*『鹿沼聞書・下野神名帳』1800年頃
都賀郡 高於加美神鶴田 村民
*『下野神社沿革史』5巻38丁(明治35年1902刊)
河内郡姿川村大字鶴田鎭座 村社 高龗神社 祭神 高龗神 建物本社間口三尺六寸奥行三尺 末社二社 氏子十三戸
本社は字長峰に在りて社域百八十六坪淸洒の地に鎭座す
ここは口三つ欲しい雨+龍 残念雨+龍
明治x年 巳の上つぶれ 昭和三十六年1961石燈籠
寛政十二庚申歳1800
口みっつ付き正字
口みっつ付き 祭神など 拝殿内
罒と雨+龍 雨+龍 口みっつ付き
2007年6月撮影ぶれ 2007年6月撮影ぶれ
八坂神社・道祖神・庚申塔・水神
■八坂神社(本殿右手)
本殿石宮は明治四十一年1908造営。昭和四十七年1972玉垣。慶応元丑年1865石燈籠。平成十七年狛犬。
■庚申塔・金精様道祖神(八坂右手)
萬延元庚申1860十一月吉日・庚申塔・露田講中。道祖神に文字は読めない。
八坂,庚申塔,金精様は元は鶴田147の山林にあった。八坂は大正二年1913に遷座,庚申塔と道祖神は平成十四年2004に移転してきた。
■水神様(本殿左手)
長沼の岸辺にあったが平成十四年に当社境内に遷座した。石宮は昭和六十年1985造営。台座の由来銘板の高龗神社の文字は口三つつきの正字。小さい方の昭和四十六年1971再建の石宮が大正二年2月17日に合祀した無格社の高龗神社か。手前のくずれた石祠は不明。立て掛けてある石燈籠柱に安政二1855と読める。
道祖神・庚申・八坂解説 八坂神社
八坂神社本殿 慶応元丑年1865
八坂神社狛犬 八坂神社右手 東側の歩道沿い
大きめの金精様 解説板では道祖神 庚申塔
萬延元庚申1860 本殿左手に水神
左:水神 水神台座に水神由来
水神由来に龗の正字 水神・昭和六十年1985 小祠・昭和四十六年1971
水神手前 安政二1855
天棚・天祭
平成十年「鶴田天棚建設寄付者名」碑のとなりに平成三十一年三月に建てられた天棚・天祭の詳しい解説板。見事な天棚の写真が載っている。
天棚収納庫 天棚天祭解説と記念碑
天棚天祭解説 龗の正字 英語解説
大ケヤキ2本存命 右:男體山 男體山
男體山背面 文久四年 杉が8本あった? 残骸
幹は椅子に 昭和五十四年1979手水石
鶴田十九夜観音
鳥居外南東から 鶴田十九夜観音
十九夜観音由来
大正十酉年1921 大字鶴田女人講中建之
年代不詳の石燈籠 十九夜右手
石祠内
東道路から
東道路から 神輿収納庫
2019/8/11 2010/1/1伐採された
2007年2/1まだ杉があった 2007年2/1当時の鳥居 2007/6/23
2007/6/23の雄姿 2007/6/23 2019/8/12鳥居は隠れた

 

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