高龗神社

宇都宮市・下小池町1227

[たかお神社]

使用文字[龗・罒]

主祭神:高龗神

旧地名:宇都宮市下小池町字宮ノ下27
主祭神:高龗神[たかおかみのかみ]
境内社:稲荷神社(倉稲魂命),新渡神社(素戔嗚命),山神社(大山祇神)
日光街道の西,篠井ニュータウンを抜けた田園地帯に386mの雷電山があり,その東山裾に鎮座。雷電にぴったりの高龗神社。
鳥居脇の消えかけた由来書と拝殿内の額に確認できる文字は「雨+罒+龍」
「当社は久寿二年(1155)x月十五日源頼政朝臣(51歳)下野国那須野亜狐狩に下降の折当地に至り絹川大洪水にあい此の地に逗留せし時御狩満足の祈願として香取弦目の御祈祷の社檀地として勧請したのが当神社である。
亦此の地は天水の地故,田用水の爲め水分の神である高龗神を勧請し御神躰は天正四年1576常池坊の作が現存する。現在の社殿は元禄十二年1699の再建。寛永年間神道管領卜部朝臣藤原吉速卿の書たる額面あり」

水分の神というのは分かりやすい。創建が850年以上前,社殿も300年を超す古社である。
明治45年11月に下小池の琴平神社,愛宕神社を合祀している。
鳥居をくぐって大谷石の石段を6回上がる。
拝殿内は暗かったが,格子の間からフラッシュを焚いてパソコンで確認すると,由来書とは別の額が掲げてあり「正一位高龗神社・正七位戸田齋國敬書」と読める。おかみ字は罒が使われている。
天明七1787丁未暦四月吉祥日の奉納石燈籠には口3つ付きの正字でくっきりと「高龗大権現」と彫られている。この石燈籠はめずらしく大権現がついていることと,220年前の「高龗」の文字が確認できる点でとても貴重なものだ。
入り口に寛政十二1800の石塔。「奉納坂東西國秩父當國二百箇所供養塔」と刻まれている。
文化六年1809四月の石燈篭。
文化十一天1814の男體山燈籠。
3年に一度8月中旬に天棚を設け天祭を行っている。彫刻屋台は唐破風造の二階建て。
本殿:流造木羽葺 拝殿:入母屋造りタン葺 例祭:11月15日
*聞書の小池は都賀郡に分類されている。記述の順番から判断すると,ここ下小池にあたる。
*『鹿沼聞書・下野神名帳』1800年頃
都賀郡,高尾神社,小池,村井佐仲
*『下野掌覧』万延元年1860
都賀郡之部 高尾大明神 小池村鎮座 祭主村井氏ナリ

**沿革誌には「下小池」は見つからず。往古は上小池村と下小池村とを合わせて小池村と称した。江戸期から明治22年までは上小池村と下小池村があり,それ以降は篠井村の大字に上小池があるので,沿革誌の上小池にも高龗神社があったのかもしれない。参考のためにつぎに紹介しておく。
*『下野神社沿革史』5巻23丁(明治35年1902刊)
河内郡篠井村大字上小池鎭座 村社 高龗神社
祭神 高龗神 建物本社間口四尺奥行五尺 末社三社 石燈籠四基 華表一基 氏子六十七戸・総代員 社掌
本社創立年月詳ならす 社域五百七十六坪淸洒の地に在り 境内には老樹亭々として中空に聳ひ神寂ひて雅致あり
拝殿内 口変形
正一位高龗神社
高龗大権現 天明七年1787
男體山
古そうな狛犬
奉納坂東西國秩父當國二百箇所供養塔

 

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