瀧尾神社

[たきお神社]

日光市・小林2169

境内社:[高龗神社]

主祭神:大己貴命,田心姫,味耜高彦根命
高へら山の北に位置し,日光に編入されたが,もと篠井村である。西1キロに沓掛の高龗神社がある。小林の二区と三区の公民館の中間の道路脇に滝尾神社入口の道標が立っている。南下するとあたりは一面の田園。一の鳥居をくぐっても右手は田んぼ。
鳥居脇に「天保二辛卯」1831の石燈籠が見える。二の鳥居は一の鳥居と直角をなす。鳥居左手には石燈籠がずらりと並ぶ。奥に杉の巨木がすっくと立っている。
拝殿右手に石屋根の覆屋に祀られているのは稲荷神社。奥に覆屋つきで木製の境内社が6棟8社祀られている。
掲げられている小林瀧尾神社由緒には《境内の分社神社》として「高龗神社」雨+龍でルビは[たかお]。他に天満宮,大杉神社,男体社,戸隠神社,赤倉神社,深砂大王社(沙王神社),女体社計9社である。さらに八坂神社もある。
左手の大きい祠に竜神の像が祀られているのが,高龗神社だろう。他にも石祠が4社ちらばっている。
拝殿左手に年代不詳の不動尊立像。となりの杉の御神木が見事。胴回り80センチのおじさんと比べると大きさが分かるだろう。推定樹齢490年。高さ35m,目通り5.1mとある。
巨木の左手にあるのは大杉神社神輿舎。
他に額堂があり,不気味な着衣人形が2体,仁王?
石燈籠が古く「八又?四人・元禄十六未年」1703「享保三戊戌天七月吉日」1718「天明二壬寅歳霜月」1782などが読み取れる。
狛犬は昭和10年9月10日。
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本殿:流造木羽葺 幣殿:銅葺 拝殿:銅葺 例祭:11月15 麦を奉納する献穀祭:7月15日 獅子舞奉納:8月16日 風祭:9月1日
『下野神社沿革誌』明治三十五年1902 巻五23丁
河内郡篠井村大字小林鎭座 村社 瀧尾神社 祭神 大己貴命 事代主命 田心姫命 建物本社間口一間半奥行一間五尺 拝殿間口五間奥行二間 末社九社 石燈籠九基 氏子百二十戸 社掌齋藤多七郎同村同大字住
本社勧請年月非不詳にして明かならす 社域千八百坪民有第二種平坦の地に在り 境内には古杉老樹森々たり
元高尾神社説:
『宇都宮市六十周年誌』昭和35年3月1日発行(1960)編纂市役所総務部庶務課
第八章 神社・寺院・教会 第一節 神社 p.1175-1191
ここに宇都宮市の神社として163社が記録されている。
このうち鐺山の八龍神社は星宮神社に,下横倉の木舟神社は保古神社に合祀されていて今はない。
また篠井町の滝尾神社が掲載されており、もと高尾神社と称したと記録されているが,篠井の北部は歴史的に宇都宮市であったことはない。したがって2014年現在,宇都宮市篠井町に滝尾神社は見つけることができない。篠井村南部は宇都宮市に編入されたので市役所の方で混乱したのだろう。
六十周年誌に記録されたのは旧河内郡篠井村小林の瀧尾神社で,昭和29年から今市市に属し,平成4年1992の大合併で現在の住所は日光市小林である。
篠井の郷土史には『篠井村南部郷土史』大正四年1915編を昭和44年1969に原稿用紙に書写したもの,同様の内容で昭和六年1931編の『篠井村郷土史』(手書き)がある。いずれも宇都宮市立図書館蔵。瀧尾神社解説に「當社ハ故ハ高尾神社ト称セリ。今ヲ去ルコト四百年前大永二年1522三月京都大佛師福田香園ニ彌陀馬頭千手ノ三佛体ヲ彫刻セシメ神体トシテ宇都宮能延寺末寺清流寺ヲ建立シテ祭祀ニ與ラシム。維新ニ際シ日光五社ノ内二荒山ノ祭神大己貴命味耜高彦根命田心姫命ヲ遷シ同座シテ后神トス」
大正四年1915以前から元高尾神社説が伝わっていたようだ。江戸期の1725年にはすでに瀧尾大権現と称していたので,高尾はいつまで遡るのだろう、不明である。1522年創建時の祭神から社号にタカオはつかないはずなので,1725までのどこかで一時タカオだったのか。これだけ大きい神社にもかかわらず『栃木県神社誌』昭和39年版には非掲載で,謎である。
『篠井北部郷土史』平成4年(1992)1月刊 非売品
第九編・信仰と暮らしの神社編に「往古から瀧尾大権現と称し,…享保二十年乙卯1735十月二日,正一位瀧尾大権現の神階を受ける」とある。そして著者手塚久氏が高龗神社の注に「高雄,高尾,瀧尾などとも書く」と記している。
日光市鬼怒川温泉小佐越に鎮座する瀧尾神社配神も高龗神。
なお日光市内の清瀧神社配神も高龗神。弘仁十一年820七月に空海上人が瀧尾山を開き,八月に大綿津見神を主祭神に清瀧神社を創始した。 高龗神に関わる瀧尾神社は県内には他に見つからない。
平成4年の郷土史には瀧尾神社の貴重な写真がカラーで掲載されている。間口九尺奥行八尺の欅造りの本殿は昭和39年1964に朱色に着色し直された。その折上げ格天井白木板に五区画×五で計25枚の日本画が描かれている。ふだんは見ることはできないが郷土史のために特別に撮影させていただいたもの。亀・獅子と蝶・桜・梅・菊・虎・鮎など。また本殿裏に描かれた農事年中行事絵馬も掲載されている。

 

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