八龍神社

[はちりゅう神社]

鹿沼市酒野谷・高鳥屋山頂

祭神[高龗神]


祭神:高龗神[たかおかみのかみ]
鹿沼市西部に出会いの森総合公園とオートキャンプ場がある。出会いという名称は大芦川と荒井川が合流するところから名付けられたのだろう。公園を抜け,大芦川に架かる木造の出会い橋から川越しに望む緑におおわれた高鳥屋山麓にフジのうす紫が美しい。高鳥屋山はこのあたりでは[たかとやさん]と呼んでいる。とても気持ちのいいところだ。この山頂に八龍神社があるという。
出会い橋を渡ると高鳥屋山登山口の愛宕橋に出る。荒井川に架かる愛宕橋の名称は右手の中腹にある愛宕神社に因む。祭神は磐裂神,根裂神,武甕槌神。三神とも高龗神,闇龗神と同時に生まれている。
ハイキングコースの案内板には4本のコースがのっている。急な坂道を示す「 !ビックリマーク」の数はどのコースも似たようなものだ。 右手の愛宕神社・男体神社経由はかなりの遠回りだ。 ふれあいコースがいちばん楽そうだが,こちらも遠回り。大沢コースがよさそうだったが,八龍神社に直行する目的から滝の沢コースを選択。
最初からかなりの急坂だ。大沢コースへの分岐点から滝の沢へ向かうと,せっかく登ってきた分をそっくり下るという,なかなか滅入るコースだ。沢までいったん降りて橋を渡り,再度登り始める。あとは急坂をえんえんと登る。五月の新緑に包まれたすばらしい山ではある。
何度も休憩しながら最後らしい急坂を登りきると,やっと平坦な山頂コースに出る。
御陵岩(ごりょうぶつ)の矢印方向に進むとほどなく左手に岩が見えてくる。近づくと人の背丈ほどの大きさ。ここからすぐ左手に石がいくつか積んであるのが見える。 高鳥屋山の木札が2枚,杉の幹に掛けられている。その先左手についに発見。
標識のような社柱に白文字で「八龍神社」。小さな石祠が見える。高鳥屋山のまさに山頂に鎮座している。 もともとあった岩石なのか,後から積んだ石なのか,石群に守られるように斜面に祀られている。
石祠には「酒ノ谷氏子一同改修」「昭和三十五年七月一日」の文字が刻まれている。「野」ではなくカタカナの「ノ」が使われている。
こんな高いところまでよく運んできたものだ。祈雨祈晴に天に少しでも近い高所を鎮座地に選んだのである。「往古より酒野谷村の五穀豊饒の神として村内近郷から尊崇されてきた」という高龗神にふさわしい。
ここからほどなく御陵岩に下りる急斜面に大雷神を祀る雷電神社がある。
もと来たコースを戻ったが,よくこんな急斜面を登ってこられたものだと自分で感心するほどだ。とてもハイキングコーストは言えないが,全山新緑の爽快な道行きだ。
直線で3キロほど西の上南摩には竜神様と慕われてきた高龗神社がある。
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流造石祠 例祭:4月1日  高鳥屋山山上で氷嵐除祭典
コースからは見えにくい 石群を背にして斜面に 真新しい四手が下げられている
垂直になるよう工夫の石積み 流造 かなりの急斜面
社の真上から 酒ノ谷氏子一同改修 昭和三十五年七月一日
ついに到着(写真並び逆順です) ここが山頂らしい 石が集められている
近づくと巨岩 岩が見えてくる 山頂コース
やっと山頂コースへ ほぼ中央部
えんえんと登る また一旦下ると沢 滝の沢コースへの登り
八龍神社は左手に入る 右手に愛宕神社への石段 案内板
荒井川にかかる愛宕橋を渡る 中央最奥の山頂に神社 大芦川にかかる出会い橋
←写真はここから出発
落合

落合神社

[おちあい神社]

栃木県鹿沼市酒野谷138

主祭神:磐裂神・根裂神
境内社:八坂神社
創立年代不詳,江戸時代までは星宮大明神であった。維新に際して改称。
大正八年1919十二月の社号標。天明三年1783建立の鳥居は平成十四年2002に新調された。
拝殿左手前の半分埋もれた石燈籠は天保七年1836のもの。
拝殿左手の「県道上日向山越線・改修竣工記念碑」の石垣下に「元禄十三年1700庚辰七月天」の手水石が保存されている。300年以上前の手水石は県内では貴重品。
隣りの燈籠は天保七年1836十一月。横の昭和三十五年1960の石碑は「循環バス開通記念碑」
巳待供養塔の左隣りの境内社の石宮は文化元年1804。
鳥居手前に石塔が八基保存されている。境内東はずれにも子待供養塔・弘化年間1844-48の十九夜など三基が2015年に整備された。
例祭:12月15日
*『鹿沼聞書・下野神名帳』1800年頃
都賀郡 星宮大明神 酒野谷 能泉寺

元禄十三年1700の手水石
循環バス開通記念碑 天保七年1836 境内社
道路沿い 境内東端
以前は神庫が建っていた 鎭座の杜
杉本稲荷

杉本稲荷神社

[すぎもといなり神社]

栃木県鹿沼市酒野谷359

主祭神:倉稲魂命 白色の美しい鳥居脇に昭和五十一年1976の杉本稲荷神社由緒之碑。ここに刻まれている別当能泉寺は上記落合神社の別当でもあった。
高鳥屋山を望む,秋の日差しの気持ちの良い神社である。たたずまいも整然として美しい。
碑文概要は,「酒野谷村帰農土豪層の産土神として勸請祭祀されていた。天正期1573-92に17家の総意を以て酒野谷村鎭守に奉斎,祭座が制定された。附属免田が一反二畝八歩があり別当は能泉寺であった。祭典は二月初午。17家座人を一当番組から六当番組に分け交互に祭礼を司祭した。これをムットウと呼んだ。明治五年地租改正で免田は没収されてしまったが,六当座人25名の拠出金で明治七年1874に免田すべてを買い戻す。そして座祭慣行とともに明治,大正,昭和と受け継がれ,現在に至っている。稲荷社由緒の消滅を憂え六当全員の発願によりここに概要を瑑彫して後世に伝う」
由緒
整然と並ぶ燈籠
この形はなんだろう
倉稲魂命のおかげで豊作
鎭座の杜
神明

神明神社

[しんめい神社]

栃木県鹿沼市酒野谷651

主祭神:大日孁貴命
杉本稲荷神社の北に鎭座。
明治十年1877の神札に奉再造神明神社大日留賣命の文字。『日本書紀』の表記は「大日孁貴」で読みは[おほひるめのむち],または「大日孁尊」で[おほひるめのみこと],一書に「天照大神」「天照大日孁尊」とある。
覆屋左手に「享保十二年1727丁未」と刻まれた鳥居柱が保存されている。
竹の結界が張られていた。梅の咲く頃は,きっとのどかだろう。社殿背後に男体山が見える。
梅の木に囲まれて鎭座
享保十二年 杉本稲荷神社が見える
八坂

八坂神社

[やさか神社]

栃木県鹿沼市酒野谷702-1

主祭神:素盞嗚神
境内地34坪のこぢんまりとした社。詳細不祥。火災に遭って再建された。春秋の祭典には神輿渡御がある。
「廿三夜月夜見尊」と彫られた自然石。角柱は馬頭尊,推定文化四年1807。
  廿三夜月夜見尊
馬頭尊
羽黒

羽黒神社

[はぐろ神社]

栃木県鹿沼市酒野谷951

圓明寺の北の山腹に鎭座。覆屋に三社祀られており,中央の木製祠が羽黒神社。昭和五十七年1982屋根改造の棟札が見える。
白雲山,文政元歳寅1818石燈籠。
羽黒神社は鹿沼には他に下日向に一社のみ。豊受比売神を祀る。
中央:羽黒神社
白雲山 文政元歳
 
鳥居から西を望む 鳥居が見える 山腹に鎭座

 

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