鹿島神社

[かしま神社]

栃木県芳賀郡・茂木町山内4169

祭神:武甕槌命
境内社:大杉神社・八坂神社 [境外社]阿支利神社・桑名神社
大正二年1913「神苑碑」によれば,奈良時代後期の延暦三年784三月十五日の創建。大和の国十市郡より建御雷命を勧請して山内村森脇の大久保修理を祠官とした。大同元年806に本茶邑に神殿を建立し改めて「本茶大明神」と称したが嘉祥二年849神祇官令により「鹿島大明神」と改称する。(下に記した『下野神社沿革誌』と多少異なる)
水戸街道123号線で那珂川を渡り,121に入って北上すると左手に国神神社があり,さらに進むと二車線から一車線になり山に挟まれた渓谷を行って国土地理院の神社マークあたりを探していると,道路沿い右に旗杭があり,そこから細道が下っている先の山裾に民家が見える。近づくと正面大岩の上に自然石の社号標。すぐ右手を山からの清流が流れ,石段の先に両部鳥居。敷石と石段が崇山中腹の本殿まで続いている。脳波が自然に落ち着いてくるたたずまい。
本殿右手の覆屋内に木製祠,背後に石祠,着色石祠,その右に大正二年1913「神苑碑」
さらに右手に石宮と屋根だけになってしまった木製祠。
本殿左手の山腹に石祠。
昭和八年1933狛犬は茂木町石工佐藤調利の作。
台座のしっかりした石燈籠だが大震災で笠が落ちてしまった。
昭和四年1929「今上登極記念」碑に四段を購入して杉四百株檪八百株を植樹したことが刻まれている。
*
茂木では小山の高雄神社=景行天皇五十六年126年についで古い歴史をもつ古社。鹿島のつぎに荒橿神社=大同元年806/町田羽黒神社=大同三年808が創建される。景行天皇時代というのは,文字もなく古墳もまだない頃から祭祀の場が設けられていたという伝説であり正確性はもたない。延喜五年905に編纂を開始した延喜式に記録された式内社以外は神社が鎮したことは確認できないので,鹿島神社もとてつもなく古い昔に創建されたということだ。
それでも闇雲に延暦三年創建説がつたわるわけではないので,茂木では一二を争う古社ということになる。
迷っているとカーナビが「茨城県に入るよ,栃木県だよ」と教えてくれるほど県境の入り組んだ県東端の山間部。付近には「棚田の里かぶと」があり,西の松倉山上には観音堂がある。
例祭:11月20日
*『下野神社沿革誌』明治三十六年1903 巻六・31丁
芳賀郡中川村大字山内字本茶鎮座 村社 鹿島神社 祭神 武甕槌命 祭日九月十九日 建物本社間口四尺二寸四方 雨覆間口二間奥行三間 拜殿間口三間奥行二間 廊下九尺四方 末社六社 華表一基 氏子六十五戸総代三員 社掌大久保縫殿仝所住
社傳に曰く本社は當村開闢の時の勸請にして大久保修理太夫奥州天足利別社より抹茶を境内に移植し茶を製し朝廷に献納しけれは速に嘉納あらせらるる 此より本茶明神と稱し元禄二年1689三月鹿島大明神と改稱す 社域三百三十一坪にして古杉老檜蔚然として生ひ茂り神寂ひて雅致あり 社有財産田八畝廿三歩を有せり
この山の頂上に鎮座
国神神社

国神神社

[くにがみ神社]

栃木県芳賀郡・茂木町山内1034

祭神:大己貴命 配神:少彦名命・斉主命
境内社:大杉神社・八坂神社 [境外社]阿支利神社・桑名神社
『栃木県神社誌』平成18年版では創建不詳ながら昭和30年1955頃境内の杉を伐採した際,350年ほどの杉が多かったことから350年以上前には鎮座したとしている。昭和三年1928の「御大典記念・国神神社改築記念碑」には,なんと天平宝字元年757と刻まれている。ここもまた茂木で一二位を争う古社ということになる。
水戸街道で那珂川を渡り121号線で山内に入ってすぐ左手の広大な森に鎮座。南の果てに石鳥居が聳えている。奥に平成五年二の鳥居が見える。樹齢50年ばかりの杉の若木が林立し,はるか遠くに社殿が見える。石垣が組まれ上に大きな拝殿が建っている。昭和五年1930狛犬。
例祭:11月第三日曜日
*『下野神社沿革誌』明治三十六年1903 巻六・31丁
芳賀郡中川村大字山内字國神鎮座 村社 國神社 祭神 大己貴命 少彦名命 斎主命 祭日四月一日/九月十九日 建物本社間口九尺四方 拜殿間口三間半奥行三間 末社四社 華表一基 氏子八十五戸 社掌大久保縫殿仝所住
本社は孝謙天皇の御宇天平宝字元年757四月出雲國杵築社より御分霊を奉遷して勸請せしものにて元禄十三年1700九月本社再建す 社域五百九十二坪平坦の地にして老杉古檜森々と繁茂して天日を洩さす晝尚暗く深邃にして雅致あり 社有財産田一反三畝餘歩を有す
青麻神社

青麻神社

[あおそ神社]

栃木県芳賀郡・茂木町山内2909

祭神:天照大御神、天之御中主神、月読神
日月星の三神を祀るところから「三光宮」ともいい,拝殿内額は「青麻三光宮」である。仙台市青麻沢の青麻神社が総本社。
国土地理院地図に神社マークがついている。鹿島神社に向かう途中右手に朱色の鳥居を発見。付近の中腹にある鳥居は個人の個人の崇敬社。
散歩中のご高齢の方におたずすると,山のてっぺんにあるから登ってきな,ということで鳥居をくぐるも,あまりに急なので左手に回ってみた。前日の雨で濡れた落葉で滑りやすくなっていたが,くの字に登って行くと頭の上に社殿が見えた。登りきると頂上は平らになっていて割と広い。
拝殿は蒼井トタンの扉で覆われて中は見えないが,幸いなことに右横が開いていた。
明治,大正十年1921,昭和三年屋根葺替などの寄付者芳名板書。昭和二十年代の「奉納祭旗一対」
天満宮

天満宮

[てんまんぐう]

栃木県芳賀郡・茂木町山内2774

祭神:菅原道真公
鹿島神社に向かう途中「棚田の郷かぶと」の看板があったので止まってみると,なんと左手に朱鳥居。どこにも情報がない。鳥居は平成十九年奉納。ちょっと上ったところに覆屋があり,年月を経た木製祠が祀られている。左右に小ぶりの木製祠。幸い本殿の扉が開いており,神札に「○再建天満宮御○屋」と読める。「覆」字が雨カンムリだが,「奉再建天満宮御覆屋」だろう。年号は読めない。

 

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