黒川神社

[くろかわ神社]

日光市・宮小来川526

主祭神:経津主命 境内社:水神社・山神社・八幡社・天王社・稲荷社・雷神社・豊年神社・琴平神社・粟島神社
旧地名:日光市・小来川宮ノ下/上都賀郡日光町小来川村字森崎
『下野神社沿革誌』の創建説に矛盾があるのは田村麿勧請以前にすでにこの地に小社があったということだろう。
例幣使街道から小来川に向かい右手に山帰来を見て西小来川を渡るとほどなく左右に道が分岐するところに森があり鳥居が見える。
鳥居右手に「聖徳皇太子」,昭和十六年1941社号標。鳥居手前に文化丁卯1807九月の石燈籠。狛犬のつぎに昭和二年1927石燈籠。ふたつめの年代物の狛犬も奉納年が見えない。
本殿前に元文五庚申1740石燈籠。
「文化七年庚午1810秋八月・穂積之徳撰併書」記念碑に「下野小来川村□有鎮守之神其祠曰星宮」の文字。江戸時代には星宮大明神を名乗っていた。星宮大明神額も見える。維新に際して黒川神社と改称。明治二十三年1890前殿寄附連名碑。昭和二年1927杉檜苗五千本寄進碑。
本殿右手に祓戸の大神四神,瀬織津姫命・速秋津姫命・気吹戸主命・遠佐須良姫命の石宮一基。
祭日:11月15日
*『鹿沼聞書・下野神名帳』1800年頃
都賀郡 星宮大明神 小来川 勘左衛門,今は大和
*『下野神社沿革誌』明治三十五年1902 巻3-21丁
上都賀郡日光町小来川村字森崎鎭座 村社 黑川神社 祭神 経津主命 祭日九月二十日十一月十五日 氏子二百廿七戸總代廿七人 社掌福田親房同村三十九番地住 建物本社間口一間奥行同 末社九社 木瑞籬長延十二間餘
社傳に曰く桓武天皇の御宇延暦十年791征夷副使坂上田村麿出征の際戦勝鎭撫のため常總野奥の四州に一百餘社の武祖棟梁の大神を勸請せして云へいしか本社も其一なりと云ふ 后建久四年右大將源頼朝那須野狩の時も當社に参籠すと 亦建武年中万里小路中納言籐房遁世の後當國に下向の時本社に一宿せしことありと 是より先き神護景雲767~770年中勝道上人日光開山の時當國出流山より山つたへに本社に詣して本村第一高山なる鶏鳴山に登り三十七日の經文讀冩の勤行をなし山下し麓の沼にて法衣及ひ筆硯を洗ひしに不思議にも漫々たる沼水忽黑色となる 勝道見て此れ黑沼かと云へしより今に里俗黑沼と云へ此沼より流れ出する川を黑川と稱す
其后日光僧か夏峯冬峯修業の山下にも古例として此沼にて法衣筆硯等を洗ひ本社に詣てゝ大麻を奉納し晝食して古峰原に行く例なり
因に云ふ本村は黑川の水源なるにより往古は小黑川村と稱せしも中世何れの時か小来川と書き謬しならむと
本社は往時星宮大明神と稱し寛政七年1795卯八月本社再建/氏子有志の寄附を以て/す 明治八年1875五月氏子星善造なるもの縣廳へ出願許可を得て星宮神社を改めて黑川神社と稱す
社域一千三百六十五坪 本社壯麗にして瑞籬を繞らし社務所及ひ石の華表鐵の燈籠水屋等あり境内高燥古杉老檜蓊蔚として生ひ繁り神寂ひて雅致あり 叉門前には商家軒を並ひ本地の繁華とす 社寶には鹿蓮花角鹿玉と言う珍らしきものありしか今は存せす 只五尺亘の古鏡/八百年以前のもの/星野とき子より奉納せる御鏡等を藏せり
一の鳥居
 
昭和五年1930石燈籠
穂積之徳撰文の碑一対
拝殿
  檜苗五千本寄付碑 明治二十三年1890前殿寄付連名
 
 
 
  元文五年1740
本殿
星宮大明神額も 左側面
背面 右側面
付近の神社が載っている

山神社?

[やま神社]

日光市・小来川1798

主祭神:大山祇命
黒川神社の分岐を左に入って直進すると最後は清滝やしおの湯に出る。途中の山中に,そばのおいしい「山家」と「瀧茶屋」がある。その手前の橋の脇に鎮座。
小来川の九組と十組が奉斎している。
瀧茶屋の裏の山の山頂には,このあたりの氏子さんが年に一度お参りに行く社がある。道もはっきりしない急峻な山,とお聞きしてあきらめました。獅子舞の伝統がいまも続いている。
黒川神社に掲げてあるルートマップには,この沿線にまだ稲荷,愛宕,八坂,瀧尾神社が載っている。
黒川神社の分岐を右に進むと天王山八坂神社,東小来川八坂神社,山久保稲荷がある。
二十三夜塔 道祖神
瀧尾神社

瀧尾神社

[たきのお神社]

日光市・滝ケ原3813

主祭神:田心姫命(←女体権現朝日姫)
黒川神社から日光の清滝に出る277号線を北上すると,途中にそばのおいしい山家と瀧茶屋があり,そこから民家も店もない道をしばらく進むと左手に鳥居が見える。目の前には黒川の清流。
拝殿の背後がガラス貼りになっていて,本殿が見える構造になっている。本殿左下に大きめの「(天照)皇大神」の石板が保存されている。
本殿前の石燈籠は推定,宝永四年1707。
鳥居左手に文政十年1827,弘化五年1848などの庚申塔多数。覆屋に祀られているのは「享保二十一丙辰天1736巳待供養塔」
7月27日にヒグラシが鳴いている。
覆屋内に本殿
拝殿 拝殿のガラス越しに本殿
本殿と離れている
本殿屋根 天照皇大神
本殿右手に三社
本殿左手
黒川が見える 7/27の紫陽花
石塔多数
享保二十一1736
■277号沿いに「三つ石の伝説」案内板と「蛇石」がある。写真で読めると思います。
村人たちに殺されたお坊さんは秀吉の時代の桜本坊昌安で,後年村人が建立したと思しき宝篋印塔の墓は滝ケ原に埋もれていたが平成25年頃に小来川円光寺に移された。
■小来川小学校の向かい,道路挟んで東に「稲荷大明神/愛宕大権現」の石の標識が立っている。500mにおそれをなして帰ってきました。またの機会に。
蛇石 蛇石解説
毒水 毒水の由来
付近の地図 愛宕神社・稲荷神社標識 鎮座の山

 

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