那須温泉神社の芭蕉句碑
那須温泉神社の芭蕉句碑
みごとな岩である。
文治二年1186年には那須の与一が石鳥居を奉献しているので芭蕉の時代には温泉神社で句を詠むに当たって与一の故事を入れることになる。
元禄2年1689年4月殺生石見物の前に温泉神社参拝をした際の一句。前日には地震があり、6日より雨続きで、この日19日久しぶりの快晴であった。
碑には上中心、右、左の順に五七五が刻まれている。
湯をむすぶ 誓も同じ 石清水
むすぶは掬ぶ、湯を手のひらですくって汲むさま。神事として巫女も行う。
温泉神社は八幡誉田別命を合祀している。
石清水八幡宮にかけて夏の季語「清水」を引き寄せる。
「泉をすくって戦勝を二つ神に祈願して誓う」ほどの意か。「同じ誓い」ととって那須の十郎為隆と十一男与一兄弟二人だけが義経に付くという約定ととるか。上の兄9人は平家に付いた。
「誓い」と「同じ」の伝説背景解釈が難解なために解説はほとんどされないが、長雨の後の晴天にふさわしい、ゆぜん様を誉め称えた、めでたい明るさをもった句である。
2006年6月4日日曜日